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STD(性行為感染症)

性行為感染症とは、性行為によって感染する全ての疾患を意味します。

STD(性行為感染症)とは

性病(梅毒、淋病、軟性下疳、そけいリンパ肉芽腫)を始めクラミジア、性器ヘルペス、尖圭コンジローム、マイコプラズマ、トリコモナス、疥癬、毛虱、カンジダ症等の他、B型肝炎、HIVも含まれます。性行為感染症は、男性よりも女性の方が感染のリスクが高いとされています。また、男性の方が、排尿痛等により感染後も比較的早い時期で気づくことが出来ます。一方女性の方は無症状のうちに進行し、子宮内膜炎、卵管炎、骨盤腹膜炎等を引き起こして、初めて性行為感染症だと診断されることも珍しいケースではありません。気づいた時には不妊症と診断されてしまうこともあります。

梅毒

梅毒はTreponema pallidum(梅毒トレポネーマ)を病原体とする性行為感染症である。梅毒患者との性行為、また類似行為、親子間感染、新鮮血の輸血などで感染する。潜伏期間は人によりバラつきがあり、早期発見できれば2週間ほどの薬物治療で治癒するが、その後10年〜20年は陽性反応が残る。 病期は通常3期にわけられる。 [第一期]感染後3ヵ月くらいまでをいい、トレポネーマが局所に局在している時期。初感染後3〜4週間で感染部分に無痛性硬縮(シコリ)が現れ、股の付け根のリンパ腺が腫れを伴う。感染後4週間で梅毒血清反応(STS)が陽性になる。この状態で放置しておくと、約3ヶ月で全身に赤い斑点状のバラ疹、丘疹、膿疱疹、脱毛が現れる。 [第二期]その後3年くらいまでの期間。この時期の特徴は、皮膚・粘膜にいろいろな型の梅毒疹・粘膜疹や脱毛が出てくる。 [第三期]感染後3年以上を経過した時期。この時期になると、皮膚・粘膜だけではなく内臓、中枢神経系など全身の器官が侵されてくる。 治療は投薬で完治するので、早めの診察・治療が肝心である。

淋病

淋菌(Neisseria gonorrhoeae)によって起こる性行為感染症。 性行為の他、オーラルセックスでも感染する。稀に衣服、洗面、風呂からも感染する事がある。 尿道炎を引き起こし、尿道口が赤く腫れる。また、激しい排尿痛が感じられ、膿性分泌物が出る。そのまま放置しておくと、淋菌が副睾丸炎を起こし陰嚢(いんのう)がテニスボール大に腫れ、痛みを伴うこともある。 治療は投薬で完治するが、パートナーも自覚症状がなくとも診察・診療を受けるべきである。


トリコモナス症

STDの中で最もポピュラーな疾患の1つがトリコモナス症。この疾患の病原体は膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)と呼ばれるもので、男女の生殖器、泌尿器に感染症を起こすもの。男性の場合、トリコモナス原虫が尿道や前立腺などに寄生するが、分泌物の増加、局所に軽度の不快感を伴う他はほとんど自覚症状はみられない。 一方女性が感染すると、約20〜30%の方に外陰部の発赤、痒み、排尿痛または排尿時の不快感等が生じる。進行すると帯下が血性となり、膣壁に黄色の分泌物を伴う斑点状の出血が見られることもある。また乳白色のおりものは悪臭を伴い、泡沫状、あるいは膿汁が増加する。 多くはないが、なかなか治りにくい事があり、この理由は膣トリコモナスが感染者自身の膣以外の性器・尿路と配偶者の尿路・性器に侵入し、有力な再発・再感染の源となるからである。つまり、このようなパートナーとのいわゆる"ピンポン感染”を防ぐためにも、同時に治療することが大切である。 経口ないし局所への投薬にて治療、完治する。

外陰・膣カンジダ症

カンジダ症は、主としてカンジダ(Candida albicans)という真菌が引き起こすSTDで女性特有の感染症である。本来カンジダは健康人の皮膚、口腔内などに生息し、普通は人体に害を及ぼさないが、抗生剤の連用や感染抵抗力が低下したときなどに、異常に増殖して病原性を発揮する。パートナーである男性の亀頭冠状溝に多数のカンジダが検出された場合は、相手の女性がカンジダ症にかかっていると思って間違いない。とりわけ妊婦が膣・外陰カンジダ症であると胎児へ産道感染を起こすこともある。鵞口瘡と呼ばれる新生児の口腔粘膜(特に頬粘膜)の感染や、極小未熟児などの場合には先天性皮膚カンジダ症や全身性カンジダ症を発症することもある。鵞口瘡は正常な乳児では1〜2ヶ月以内に無治療でも消失する。
症状は掻痒感、特有のオリモノ(酒粕状、ヨーグルト状あるいは粥状と表現される白色あるいは黄白色の帯下)、発赤、腫脹などがみられる。
治療は抗真菌剤を使うが、治療後に再発を繰り返す難治性のカンジダ症もあるため、根気強い治療が必要である。

クラミジア感染症

クラミジア感染症の特徴は、尿道口、亀頭部、包皮が爛れ赤く腫れる。オーラルセックスにより口の中に感染した場合は咽頭炎等の症状が出る。尿道分泌物が知らないうちに下着に付着する程度で尿道痛もくすぐったい程度の尿道炎であることが多いが、なかにはまったく無症状のものもある。このため発病に気づかず性交渉をした結果、パートナーに感染し、子宮付属器炎に進展することで不妊症、子宮外妊娠の誘因・原因になることもある。 治療は投薬により完治するが、パートナーも自覚症状がなくても診察・治療することが肝要。

性器ヘルペス症

性器ヘルペス症は単純ヘルペスウイルス(HSV)によって発症する疾患。この病気は脳、眼、口腔、皮膚など、身体の種々な部位に感染して病変を形成するが、性器もその標的の1つといえる。HSVには 1型と2型とよばれる2つの亜型があり、ヒトの感染部位では2型が性器などの下半身に多いことが知られている。 特に自覚症状無く感染していることもあるが、はっきりと分かる症状としては、水疱や潰瘍形成など比較的容易に分かる変化を呈する。最初は陰部のかゆみを感じることが多いが、そのうち激しい痛みを伴うようになる。 診断は分離培養や細胞診、DNAなどによるウィルス検出によって確定する。治療は抗ウィルス療法、対症療法が主となる。

マイコプラズマ

マイコプラズマとは、ウレアプラズマ(Ureaplasma urealylicum)、マイコプラズマ(Mycoplasma hominis)が原因で引き起こすSTDで、非淋菌性尿道炎、子宮頸管炎の原因菌として知られている。いずれも投薬治療が有効である。

尖圭コンジローム

ヒト乳頭腫ウィルス(HPV)により発症するウィルス性疾患で、性行為による感染が多いが、まれに手や物に付着したウイルスから感染することがある。 痛みがなく亀頭や包皮にカリフラワー状の肉芽(にくげ)が出現する。 治療法としては、電気焼却、レーザー治療と抗ウイルス剤の投与での治療が主流である。 この疾患は男女共に感染・発症するが、感染部位は男性の場合、亀頭周囲に多く見られる。 HPVは現在50種以上の型に分けられているが、本症には6型と11型による感染が多いことが知られている。 好発年齢は10歳代後半から30歳代前半であるが、ピークは20歳代前半で全体の約3/4を占めている。 近年次第に増加傾向にあり、STDのなかでも重要な疾患のひとつと考えられている。 診断は、視診だけでも可能だが、類似した他の疾患との鑑別のために細胞診や病理組織診は必須になる。 治療は外科的切除、電気凝固、冷凍療法、レーザー治療などの他に5-FU軟膏などの薬物療法で治療することで完治する。

毛じらみ症

ヒトシラミ科に属するケジラミ(pediculosis pubis)の寄生により発症し、近年症例の増加が報じられている。大きさは全長1mm前後で、色は灰白色ないし灰白黄色を呈している。成虫の平均寿命は22〜28日だが、毛から離れると2日で餓死し、また衣服で覆われていないと長くは生存できないのが特徴。 主に硬毛部である陰毛や肛門周囲の毛に寄生して、皮膚も咬むのでその部に点状紅斑や丘疹が生じ、掻痒感も強くなる。 また、感染経路は直接毛から毛への接触感染で、陰毛部では主として性的接触による移行によるものである。 治療は、痒み止め、駆除剤が主体となる。

AIDS

1981年に初めて報告され、起炎の病原微生物はHIVである。発症の背景には後天的免疫異常がある。近年、STDとしての意義・重要性が一層高まっている。感染者には日和見感染症あるいはカポジ肉腫のほか、発熱、リンパ節腫脹、体重減少、下痢などの症状がみられる。

ウイルス性肝炎

肝炎とは肝臓に起こる炎症のことを指す。肝炎の主な原因としてウイルス、アルコール、薬物があるが、この他に自己免疫や胆道疾患による肝炎も存在する。 とりわけ日本人は、ウィルス性肝炎にかかることが多く、その種類もA型、B型、C型、D型、E型、G型、TTV型とあるが、中でも一般的なのがA型、B 型、C型の三つである。

・A型肝炎……経口感染する急性肝炎で、時に劇症肝炎になる。慢性化はせず、予後は良好。
・B型肝炎……血液を介して感染し、母子間の垂直感染、家族や異性間の水平感染がある。A型肝炎同様、急性肝炎になったり、劇症肝炎になることもある が、慢性化したり肝硬変・肝がんに進行するケースもある。
・C型肝炎……血液を介して感染し、その多くは慢性化する。症状が出ないケースが多く、そのため肝硬変、肝がんに進行することがよくある。

症状は、全身がだるい、疲れる、軽い腹痛、吐き気がする、嘔吐する食欲不振、発熱が続く、お腹が張る感じがする、皮膚が痒い、など。

急性肝炎は黄疸を伴うケースもよくあり、黄疸が現れる前に、まず発熱、全身倦怠感、頭痛など風邪のような症状が見られるため、風邪と勘違いされる場合 もよくある。

一般的に、症状が最も著しいのはA型肝炎である。B型、C型肝炎の症状はA型と比べ軽く、特にC型肝炎は症状がないケースも極めて多い。

これらで性行為が原因で感染するものは、B型とC型である。上記の症状が見られる場合には、すぐに内科に受診して診察、治療を受ける事が望ましい。

軟性下疳

軟性下疳菌(細菌)による性感染症で、感染後、数日から一週間以内に発症する。男女ともに、性器(男性の場合は、包皮、カリ、亀頭、睾丸。女性の場合はほとんどが大陰唇)に小さなコブができる。コブは痛みをともない、ひっかくとすぐにつぶれて出血、その1日後くらいから痛みの強い潰瘍になる。
診断は、潰瘍から綿棒などでサンプルを採取しておこなう。
治療は抗生剤の投与で、1週間〜2週間前後の服用で治る。

そけいリンパ肉芽腫

宮川小体というウイルスが原因で、性交によって感染する。日本ではほとんどみられない性病のため、海外で感染してくる場合が多い。 1〜4週間ほどの潜伏期があって発症。初期では陰部に疱疹、丘疹ができるが、見過ごされてることが多い。しばらくするとそけいリンパ節がはれて化膿する。そけいリンパ節のほかに、腸骨や股部のリンパ腺炎を合併することもある。 女性の場合、外陰部、肛門、直腸の潰瘍ができたり、大陰唇、小陰唇が象皮病様になることもある。 治療は抗生物質の投薬で、2週間ぐらい服用すれば治る場合がほとんどである。

※性行為感染症は、自分自身で強い自覚を持つことによって回避できる病気です。正しい知識を身に付けて上手に性行為感染症を回避して下さい。

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